募集図面の設備欄に「OAフロア」と書かれていても、何ができる床なのか、はっきり分からないまま内見に進むことがあります。
OAフロアは、机の置き方と配線のしやすさに直結する設備です。一方で、「OAフロアあり」の一言だけでは、配線やコンセントまで整っているかは分かりません。
この記事では、OAフロアの仕組みと、借りる前に図面・現地・管理会社のどこで何を確かめるかを整理します。移転全体の進め方はオフィス移転とは?流れ・費用・スケジュールにまとめました。
この記事で分かること
- OAフロアとは何か、どんな仕組みか
- OAフロアがある物件とない物件の違い
- 「OAフロアあり」と書かれていても分からないこと
- 図面・内見・管理会社で確認すること
- OAフロアがない物件で、後から敷くときの注意点
結論
- OAフロアは、床下に電源やLANの配線を通せる二重の床です。 席の配置に合わせて、床下の配線を変更しやすくなります。
- 「OAフロアあり」は床の構造があるという意味です。 配線やコンセントの位置まで用意されているとは限りません。
- 確認するのは、範囲・床下の高さ・配線の取り出し口・段差の4点です。 重い物を置く会社は、床の耐荷重も加えます。
- ない物件で後から敷くなら、契約前に工事の可否と範囲、退去時の扱いを確かめます。
目次
- OAフロアとは
- OAフロアがある物件・ない物件の違い
- 「OAフロアあり」で分からないこと
- 図面・内見・管理会社で確認すること
- OAフロアがない物件で後から敷く場合
- 当社が一緒に確認できること
- FAQ
- まとめ
OAフロアとは

OAフロアとは、もとの床の上にパネルを敷いて床を二重にし、そのすき間に電源やLANの配線を通せるようにした床です。 フリーアクセスフロアとも呼ばれます。
OAは「オフィスオートメーション」の略です。床のパネルを外せば、下の配線に手が届く作りになっています。
配線を床下に収められるので、席の配置に合わせて床下の配線を変更しやすくなります。 通路に配線を露出させにくいぶん、見た目と安全の面でも扱いやすい床です。
用語集では短く紹介しています。他の用語はオフィス移転・賃貸オフィスでよく使う用語集をご覧ください。
OAフロアがある物件・ない物件の違い

違いが出るのは、机の置き方と、配線の手間です。
| OAフロアがある | OAフロアがない | |
|---|---|---|
| 配線の通し方 | 床下に通す | 床の上をカバーで覆う、天井や壁から下ろす |
| 机の配置 | 希望の配置に合わせて配線を変更しやすい(床の仕様による) | 壁のコンセントや配線の経路に縛られやすい |
| レイアウト変更 | 床下で配線を付け替えやすい | 配線をやり直す手間が出やすい |
| 見た目・安全 | 床に配線が出にくい | 通路に配線が出ると、つまずきの原因になる |
| 追加の工事 | 配線口の移設などは物件ごとに確認 | 敷く場合は床の工事が必要 |
OAフロアがない物件を避ける必要はありません。人数が少なく、机の配置をあまり変えない会社なら、床の上の配線で足りることもあります。
当社の仲介実務では、OAフロアで問題になることはあまりありません。統計ではなく、実務上の感覚です。
「OAフロアあり」で分からないこと
募集図面の「OAフロアあり」から分かるのは、床が二重になっていることまでです。 次の点は、図面の一言では分かりません。
- 敷かれている範囲:区画の全面か、一部だけか
- 床下の高さ:通せる配線の量が変わる
- 配線の取り出し口の位置と数:いまの配線口で希望の配置に対応できるか、移設・増設が必要か
- 電源やLANの配線がすでにあるか:床の構造だけで、配線は入居後に自社で手配することもある
- 入口や共用部との段差:床が上がった分、入口に段差やスロープがあるか
「配線も用意されている」と思い込んだまま進むと、入居前の工事の範囲と費用が後から増えることもあります。
図面・内見・管理会社で確認すること

同じ項目でも、確かめられる場所が違います。 3つに分けて進めると、内見の時間を無駄にしません。
| 確認する項目 | 図面で分かること | 内見で見ること | 管理会社・内装会社に聞くこと |
|---|---|---|---|
| OAフロアの有無と範囲 | 設備欄の記載 | 床の仕上げ・配線口・段差を見る | 有無と施工範囲(区画の全面か一部か) |
| 床下の高さ | 記載がないこともある | 管理会社の立ち会いでパネルを外せるなら床下の空間 | 高さの寸法と、通せる配線の量 |
| 配線の取り出し口 | 記載がないこともある | 床の配線口の位置と数 | 移設や増設ができるか、工事の区分 |
| 段差 | 断面の記載があれば | 入口・給湯室・共用部との段差 | スロープの有無、変更できるか |
| 重い物を置く場合(該当する会社のみ) | 記載がないこともある | 書庫・金庫・サーバーラックを置く予定の位置 | 床の耐荷重、補強が必要か |
内見では、図面で分からなかった点をその場で書き出してください。 床下の高さや耐荷重のように、見ても判断できない項目は、管理会社や内装会社に確認します。
内見全体の見方はオフィス内覧で失敗しないためのチェックポイントで整理しました。
OAフロアがない物件で後から敷く場合
後から敷くなら、契約の前に次の4点を確認してください。 契約後に気づくと、入居日程の見直しが必要になる可能性があります。
- 工事をしてよいか — 貸主の承諾が要り、工事の区分(誰が手配し、誰が費用を持つか)も物件ごとに違う
- 天井の高さ — 床が上がる分、天井までの高さが低くなる
- 入口の段差 — 床と入口の高さの差を、スロープなどでどう処理するか
- 退去時の扱い — 自社で敷いた床を、原状回復で撤去するのか
2026年は、貸主から「契約後、遅くとも3か月以内に入居してほしい」と求められる場面があります。床の工事を入れるなら、見積と工程の見込みを契約前にそろえてください。
工事の可否と時期は契約すれば内装工事できる?、工事の範囲はオフィス内装工事はどこまでやるべきか?で整理しました。
退去時の原状回復の進め方はオフィスの原状回復は誰が手配する?をご覧ください。
当社が一緒に確認できること
当社は、東京23区で30〜100坪を中心に、借主側の立場でオフィス移転を支援している仲介会社です。
内見に同行し、図面の記載と現地の状態を一緒に照らし合わせます。床下の高さや工事の可否のように、その場で判断できない点は、管理会社や内装会社に確認をつなぎます。床の工事そのものは内装会社の仕事です。
FAQ
Q. OAフロアとフリーアクセスフロアは同じものですか?
同じ構造を指す言葉として使われています。床を二重にして、そのすき間に配線を通せるようにした床のことです。
Q. 「OAフロアあり」の物件なら、配線工事は要りませんか?
要らないとは限りません。床の構造があっても、電源やLANの配線、配線口の位置は、自社のレイアウトに合わせて手配することがあります。管理会社に、配線がどこまであるかを確認してください。
Q. OAフロアがない物件は、候補から外したほうがよいですか?
外す必要はありません。机の配置をあまり変えない会社なら、床の上の配線で足りることもあります。後から敷くなら、工事の可否・天井の高さ・段差・退去時の扱いを契約前に確認してください。
Q. 床下の高さは、どうやって確認しますか?
募集図面には書かれていないことがあります。内見で管理会社の立ち会いのもとパネルを外せるなら床下の空間を見て、寸法は管理会社に確認してください。通したい配線の量は、内装会社や通信の業者に伝えて判断してもらいます。
Q. 重い書庫や金庫を置いても大丈夫ですか?
物件によって違います。置く予定の位置と重さを伝え、床の耐荷重と、補強が必要かを管理会社に確認してください。
Q. 自社で敷いたOAフロアは、退去時に撤去が必要ですか?
契約で決められた原状回復の範囲によります。敷く工事をする前に、退去時に撤去するのか、残してよいのかを確かめておいてください。
Q. OAフロアの確認を、内見の前にお願いできますか?
できます。候補物件の図面で分かることを先に整理し、分からない点は内見の場や管理会社への確認で埋めていきます。ご相談は無料です。
まとめ
OAフロアとは、床を二重にして配線を床下に通せるようにした床です。席の配置に合わせて、床下の配線を変更しやすくなります。
「OAフロアあり」で分かるのは、床の構造があることだけ。 範囲・床下の高さ・配線口・段差の4点を、図面・内見・管理会社に分けて確認してください。重い物を置く会社は、床の耐荷重も加えます。
ない物件で後から敷くなら、契約前に工事の可否と退去時の扱いを確かめてください。
ご相談
候補の物件が出てきた段階から、設備の確認を一緒に進められます。
内見に同行し、分からない点は管理会社や内装会社に確認をつなぎます。ご相談・物件提案・内見のご案内まで、すべて無料です。ご契約時の仲介手数料は賃料1ヶ月分(税別)です。
株式会社gram(グラム)
電話 03-6869-5265(平日 9:00〜18:00)/ お問い合わせフォームからもご連絡いただけます。

