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OFFICE GUIDEオフィス移転ガイド

フリーアドレスとは?メリット・デメリットと移転前に決めること

監修:林 正幸(株式会社gram 代表取締役/宅地建物取引士)

「移転を機に、フリーアドレスにしたい。そうすれば狭いオフィスで済むのでは」

移転に合わせてフリーアドレスを考えるとき、最初に浮かびやすい発想です。席を人数分そろえなくてよいなら、借りる面積も抑えられそうに見えます。

必要なのは、席数だけでなく、収納や電話・Web会議に使う場所も含めた面積です。

この記事では、フリーアドレスの基本と、移転で面積を決める前に社内で決めておくことを整理します。移転全体の進め方はオフィス移転とは?流れ・費用・スケジュールにまとめました。

この記事で分かること

  • フリーアドレスとは何か、ABWとの違い
  • フリーアドレスのメリットとデメリット
  • 自社に合うかを確かめる5つの項目
  • 席数と面積の考え方
  • 移転と同時に導入するとき、いつ何を決めるか

結論

  • フリーアドレスは、社員ごとの固定席を決めず、席を共有する運用です。 必要な席数や収納・会議スペースは、出社状況と仕事内容から決めます。
  • 席数は、平均の出社人数ではなく、出社が最も重なる日の人数で出します。
  • 全員を自由席にする必要はありません。 電話や書類が多い部署は、固定席を残す形もあります。
  • 移転と同時に導入するなら、方針は物件を契約する前に決めます。 面積も内装も、方針で変わるためです。

目次

  1. フリーアドレスとは
  2. フリーアドレスのメリット
  3. フリーアドレスのデメリット
  4. 自社に合うかを確かめる5つの項目
  5. 席数と面積はどう考えるか
  6. 物件と内装で準備すること
  7. 移転と同時に導入するときの順番
  8. FAQ
  9. まとめ

フリーアドレスとは

フリーアドレスとABWの違い

フリーアドレスとは、社員ごとに決まった席を割り当てず、その日に空いている席を使って働くオフィスの運用方法です。 席は共有し、私物や書類はロッカーなどに置きます。

似た言葉にABWがあります。ABWとは、仕事の内容に合わせて、集中する席・会議室・電話ブースなど働く場所を選ぶ考え方です。

フリーアドレスが「席を固定しない」運用を指すのに対し、ABWは「場所の種類を用意して選ぶ」ところまで含みます。

部署ごとに座るエリアだけを決め、その中で席を自由にする形もあります。完全な自由席と固定席の中間です。

フリーアドレスのメリット

フリーアドレスのメリットとデメリット
  • 席を人数分より少なくできる場合がある:出社する日が分散していれば、全員分の席は要りません
  • 組織変更のたびに席替えの手間が減る:部署の増減で机を動かす必要が小さくなります
  • 部署をまたいだ会話が生まれやすい:近くに座る相手が日によって変わります
  • 机の上が片付く:毎日席を空けるので、書類をため込みにくくなります

フリーアドレスのデメリット

  • 誰がどこにいるか分かりにくい:対面で話したいときに探す手間が出ます
  • 荷物の置き場所が必要になる:ロッカーや共有の書庫の分、面積を使います
  • 電話・Web会議・集中作業の場所が足りなくなりやすい:席が空いていても、声を出せる場所がないと仕事が止まります
  • 結局いつも同じ席になる:運用のルールがないと、実質は固定席のままです

どれも、席の数を減らすことだけを先に決めたときに出やすい問題です。

自社に合うかを確かめる5つの項目

フリーアドレス導入前に決める5項目

導入を決める前に、次の5つを数えてください。 数えた結果が、そのまま面積と内装の条件になります。

確認する項目 数えること 物件選び・内装への影響
出社が重なる日の人数 曜日ごとの出社人数の最大値 席数の下限になる
固定席が必要な仕事 電話・書類・専用機器を使う人の数 固定席エリアの広さ
会議・Web会議・電話 1日に同時に行う件数 会議室・ブースの数と工事
荷物と書類 1人あたりの私物、部署の書類の量 ロッカー・書庫の面積
1〜2年後の人数 採用計画を反映した人数 将来必要になる広さの検討材料

席を削っても、会議・電話と荷物の場所で面積を使えば、借りる広さはあまり変わりません。

席数と面積はどう考えるか

1人あたりの必要面積は、当社の実務では2〜3坪が目安です(2026年9月時点)。通路・会議室・収納を含めた面積で、フリーアドレスにするかどうかや、会議室をいくつ取るかで上下します。

フリーアドレスで席を減らしても、面積が同じ割合で減るとは限りません。削った席の代わりに、次の場所が必要になるためです。

  • 私物を置くロッカー
  • 電話やWeb会議のためのブース
  • 集中して作業する席
  • 共有の書庫や備品の置き場

席数は、出社が最も重なる日の人数で出してください。 平均の出社率で決めると、全員が集まる会議の日などに席が足りなくなります。

人数は、いまではなく1〜2年後で見てください。 希望の坪数がいまの人数にぴったり合っている場合は、「今後増員するとすぐ手狭になる可能性があります」と、将来の人数を踏まえた提案を当社からすることもあります。

人数から坪数を出す考え方はオフィス面積の決め方、50坪の具体例は50坪オフィスは何人まで使える?で整理しました。

物件と内装で準備すること

利用する各席で、仕事に必要な電源と通信を確保します。 物件を比べる段階で、次の点を見てください。

  • 電源の取り出し位置:床下に配線を通せる床か、机の島をどこに置けるか
  • 通信:無線LANを前提にするか、有線が必要な席があるか
  • 間仕切り:会議室やブースを新しく作るなら、工事の範囲と費用
  • 収納の置き場所:ロッカーを並べる壁面が取れるか

会議室やブースを増やすと、内装工事の範囲が広がります。どこまで作るかはオフィス内装工事はどこまでやるべきか?で整理しました。

移転と同時に導入するときの順番

移転に合わせて導入するなら、フリーアドレスにするかどうかは物件の契約前に決めます。 方針が決まらないと、必要な坪数も、内装会社への相談内容も決まりません。

2026年は、貸主から「契約後、遅くとも3か月以内に入居してほしい」と求められる場面があります。契約後から検討を始めると、工事と引越しの日程が厳しくなる可能性があります。

  1. 5つの項目を数える — 出社の重なり、固定席、会議・電話、荷物、1〜2年後の人数
  2. 方針を決める — 全面フリーアドレスか、固定席との併用か
  3. 必要な坪数を出す — 席数だけでなく、ロッカー・ブース・会議室を含めて
  4. 候補物件の図面で配置を確かめる — 内装会社に簡単な配置を見てもらう
  5. 契約する — 工事の範囲と日程の見込みがそろってから

契約後の日程がずれる流れは契約したのに入居できない?でまとめました。

当社が一緒に確認できること

当社は、東京23区で30〜100坪を中心に、借主側の立場でオフィス移転を支援している仲介会社です。

フリーアドレスにするかどうかで必要な坪数が変わる段階から、候補物件を並べて比べられます。レイアウトの設計そのものは内装会社の仕事です。当社は物件の条件と日程の側から、内装会社との調整も含めてお手伝いします。

FAQ

Q. フリーアドレスにすると、借りる面積はどれくらい減りますか?

一律の割合では言えません。席の数は減らせても、ロッカー・電話ブース・集中席の分の面積が別に必要です。出社が重なる日の人数と、その場所の数を数えてから坪数を出してください。

Q. フリーアドレスとABWは同じですか?

同じではありません。フリーアドレスは固定席を決めない運用のことで、ABWは仕事の内容に合わせて会議室や集中席など場所の種類を選ぶ考え方です。

Q. 席数は出社率から計算してよいですか?

平均の出社率ではなく、出社が最も重なる日の人数で決めてください。平均で決めると、全員が集まる日に席が足りなくなります。

Q. 一部の部署だけ固定席にできますか?

はい。電話や書類が多い部署、専用の機器を使う人は固定席にして、他の部署を自由席にする形もあります。部署ごとに座るエリアだけを決める方法もあります。

Q. 導入を決めるのは、物件を契約した後でも間に合いますか?

移転と同時に導入するなら、契約前に決めてください。方針によって必要な坪数も内装工事の範囲も変わり、契約から入居までの期間は限られています。

Q. フリーアドレスにするとき、物件で見ておく設備は何ですか?

電源をどこから取れるか、床下に配線を通せる床か、通信の方式、会議室やブースを作る場合の工事の範囲です。ロッカーを置く壁面が取れるかも確認してください。

Q. フリーアドレスにするか迷っている段階でも相談できますか?

できます。固定席の場合とフリーアドレスの場合で必要な坪数を出し、候補物件を並べて比べるところからお手伝いします。ご相談は無料です。

まとめ

フリーアドレスとは、固定席を決めずに空いている席で働く運用です。

席を減らしても、面積が同じだけ減るとは限りません。 ロッカー・電話ブース・集中席の場所が別に必要です。

席数は出社が最も重なる日の人数で、坪数は1〜2年後の人数で考えます。 5つの項目を数えてから方針を決めてください。

移転と同時に導入するなら、方針は契約の前に決めてください。

ご相談

フリーアドレスにするかどうかで、必要な坪数と候補物件が変わります。

  • 出社人数と1〜2年後の人数から、必要な坪数を確認したい
  • 固定席の場合とフリーアドレスの場合で、候補物件を比べたい
  • 移転の時期までに、内装まで間に合うか整理したい

移転時期が決まり、固定席かフリーアドレスかで迷っている場合は、物件の候補と日程を一緒に整理します。ご相談・物件提案・内見のご案内まで、すべて無料です。ご契約時の仲介手数料は賃料1ヶ月分(税別)です。

株式会社gram(グラム)
電話 03-6869-5265(平日 9:00〜18:00)/ お問い合わせフォームからもご連絡いただけます。