- オフィス賃料は上昇傾向が続いている
- 都心5区の空室率は2%台前半の低水準
- 30〜100坪の良い物件は即決市場になりつつある
- 待つほど選択肢が減るケースが増えている
目次
オフィス賃料はなぜ上がっているのか?
オフィス移転を検討している企業から、
「去年見た時より高くなっていませんか?」
と聞かれることがあります。
結論から言うと、
オフィス賃料は上昇傾向です。
特に東京23区の30〜100坪では、その傾向を現場でも感じます。
ただし、
単純に貸主が強気になっているだけではありません。
背景には、
- 建築費の高騰
- 人件費の上昇
- 内装工事費の上昇
- 空室率の低下
- 出社回帰
があります。
この記事では、
実際に移転支援をしている立場から、今の市場で起きていることを解説します。
この記事でわかること
- オフィス賃料が上がっている理由
- 空室率2%台が意味すること
- 日本で事務所回帰が進む背景
- 良い物件がすぐ埋まる理由
- 今後の移転で注意したいポイント
- スケジュール管理が重要な理由
結論
- オフィス賃料はコスト増と需要増で上昇傾向
- 都心5区の空室率2%台は「選び放題ではない市場」
- 良い物件は比較検討中に終了することがある
現在の市場は、
「探す市場」から「押さえる市場」へ変わりつつあります。
そのため、
移転成功の鍵は物件数ではなく、
スピードと意思決定です。
オフィス賃料が上がる3つの理由
結論:貸主だけの問題ではなくコスト増が大きい
現場で見ていても、
賃料上昇の背景にはビル運営コストの上昇があります。
建築・資材費の高騰
近年は、
- 建築資材価格の上昇
- 円安
- 物流コスト上昇
が続いています。
ビルの修繕や設備更新にも以前より費用がかかっています。
人件費の上昇
ビル運営には、
- 清掃
- 警備
- 設備管理
- 受付対応
など多くの人が関わります。
人件費上昇は共益費や賃料にも影響します。
内装工事費の上昇
移転時に驚かれるのがここです。
以前と比べると、
内装工事費は1.5倍以上になるケースもあります。
会議室や受付を作るだけでも、
数百万円単位で差が出ることがあります。
結果として起きていること
貸主側もコスト増を抱えているため、
賃料へ反映されやすい状況になっています。
日本で事務所回帰が進んでいる理由
結論:出社を重視する企業が増えている
アメリカではリモートワークが定着した企業もあります。
一方で日本では、
出社回帰の流れがあります。
理由はシンプルです。
- 採用
- 教育
- マネジメント
- コミュニケーション
を重視する企業が多いからです。
特に30〜100坪クラスでは、
オフィスが単なる作業場所ではありません。
実際に、
- 採用強化
- 組織拡大
- 来客対応
を理由に移転する企業も増えています。
オフィスをコストではなく、
投資として考える企業も少なくありません。
空室率2%台の本当の意味
結論:条件に合う物件が常に選べる市場ではありません
2026年現在、
都心5区の空室率は2%台前半で推移しています。
実務感覚で言うと、
かなり低い水準です。
この水準になると、
「物件がない」
というより、
「良い物件に先に申込が入る」
市場になります。
実際には、
募集が出ていても
- 商談中
- 申込予定
- 条件調整中
というケースもあります。
そのため、
空いているようで空いていない状態が発生します。
現場で起きている物件争奪戦
結論:30〜100坪は特に動きが早い
実際の現場では、
次のようなことが起きています。
- 内見予約前に終了
- 内見当日に申込が入る
- 代表者再内見前に終了
- 社内稟議中に終了
特に人気なのは、
- 駅徒歩5分以内
- 築浅
- 男女別トイレ
- レイアウト効率が良い
- 30〜50坪
といった物件です。
最近増えているセットアップオフィスも人気です。
ただし、
募集が増えたからといって余っているわけではありません。
条件の良い区画は早期に終了するケースがあります。
※セットアップオフィスについては別記事で詳しく解説しています。
賃料だけで判断すると失敗することもある
結論:坪単価より総コストを見るべきです
賃料上昇の話になると、
少しでも安い物件を探そうとする企業があります。
ただし、
実際には総コストで比較することが大切です。
例えば、
| ケース | 結果 |
|---|---|
| 坪単価は安いがレイアウト効率が悪い | 必要坪数が増える |
| 会議室が作りにくい | 追加工事費が発生 |
| 駅から遠い | 採用面で不利になることもある |
| 天井が低い | 想定より圧迫感が出る |
結果として、
坪単価は安くても総額が高くなることがあります。
現場では意外と多い失敗です。
待つほど不利になる理由
結論:時間が味方になりにくい市場です
現在は、
| 項目 | 傾向 |
|---|---|
| 賃料 | 上昇傾向 |
| 空室率 | 低下傾向 |
| 工事費 | 上昇傾向 |
| 人気物件 | 競争激化 |
という状況です。
もちろん例外はあります。
ただ、
待つことで有利になるケースは多くありません。
むしろ、
- 良い物件が消える
- 賃料が上がる
- 選択肢が減る
ことが起きやすくなります。
よくある失敗例
物件不足ではなく判断遅れが原因
ケース①
まだ早いと思って動かない
↓
解約予告が近づく
↓
選択肢が減る
ケース②
比較しすぎる
↓
候補物件が埋まる
↓
振り出しに戻る
ケース③
社内稟議が長い
↓
申込タイミングを逃す
↓
条件の悪い物件しか残らない
ケース④
代表者再内見の日程待ち
↓
募集終了
良い物件を逃す理由は、
物件数ではなく意思決定の問題であることが少なくありません。
FAQ
Q. 今後も賃料は上がりますか?
A.
エリアによりますが、現状では大幅に下がる材料は多くありません。
Q. 空室率が低いと何が起きますか?
A.
良い物件ほど早く決まりやすくなります。
比較検討の時間を取りにくい市場になります。
Q. 解約予告前から探した方が良いですか?
A.
可能であれば早い方が有利です。
ただし実際には解約予告後から探し始める企業もありますが、
物件がない場合リスクになります。
Q. セットアップオフィスは安いですか?
A.
内装工事費を抑えられるケースがあります。
ただし賃料は一般オフィスより高い場合が多いです。
Q. 契約したらすぐ入居できますか?
A.
できません。
内装工事や各種手配が必要になるため、一定の準備期間が必要です。
Q. 社内稟議にはどれくらい時間がかかりますか?
A.
企業によりますが、1〜3週間程度かかるケースもあります。
人気物件ではその間に募集終了となることがあります。
Q. 1〜2年後の増員も考えるべきですか?
A.
採用強化を予定している企業は考慮した方が良いです。
現在の人数だけで決めると再移転になるケースがあります。
まとめ
オフィス賃料は、
建築費・人件費・内装工事費の上昇に加え、
空室率低下と事務所回帰によって上昇傾向が続いています。
特に30〜100坪では、
良い物件ほど比較検討中に終了するケースがあります。
今の市場では、
物件をたくさん見ることよりも、
意思決定できる状態を作ることが重要です。
移転成功の鍵は、
物件探しだけではありません。
解約予告、貸主審査、社内稟議、原状回復まで含めたスケジュール管理が結果を左右します。
今の条件で本当に間に合うか確認したい方へ
現在の市場では、
物件探しそのものより、
- 解約予告はいつ出すべきか
- 今の坪数で足りるのか
- 会議室込みで何坪必要か
- 1〜2年後の増員に対応できるか
- スケジュールが現実的か
- 二重家賃をどこまで抑えられるか
を整理することが先になるケースもあります。
移転時期が決まっていなくても、
現状を整理することで判断しやすくなります。

