「結局、いつまでに何をやればいいのか一覧で見たい」
オフィス移転の流れやスケジュールを個別に調べても、実際に自分の会社がどのタイミングで何を済ませておくべきか、一目で確認できるものがないと感じたことはないでしょうか。
移転準備を進めていると、物件探しに気を取られている間に解約予告の期限が迫っていたり、内装工事の手配を後回しにしていたりと、「あとで気づいて焦る」ことが起こりがちです。
私たちは30〜100坪規模のオフィス移転を数多くサポートしていますが、相談をいただく企業の多くは、移転希望時期まで半年前後というタイミングで動き始めています。
この記事では、そうした「半年程度で移転を完了する」ことを前提に、必要な作業を時期別・担当領域別に整理したチェックリストをご用意しました。
目次
この記事でわかること
- 移転の6ヶ月前〜移転後までにやるべきことの全リスト(担当・優先度つき)
- 時期ごとの優先度と、見落としやすいタスク
- 社内稟議・代表者再内見など、社内側で詰まりやすいポイント
- 貸主審査・解約予告など、貸主側とのやり取りで注意すべき点
- やりがちな失敗パターンとその避け方
- チェックリストの使い方(自社の規模に合わせた調整方法)
結論
オフィス移転のタスクは、大きく分けると「物件・契約まわり」「社内の意思決定まわり」「工事・引越しまわり」の3系統が並行して進みます。
チェックリストが役立つのは、この3系統を同時に見える化できる点です。
一つひとつのタスクは難しいものではありませんが、数が多く、担当者が一人で全体を把握しにくいのが移転プロジェクトの特徴です。
特に、解約予告や貸主審査など「相手のスケジュールに依存するタスク」は早めに着手しないと、後の工程がすべて後ろ倒しになる点に注意が必要です。
チェックリストの使い方
このチェックリストは、30〜100坪規模、社員数10〜50名程度の企業を想定した目安です。
特に、移転希望時期まで6ヶ月前後というタイミングで動き始める企業を念頭に構成しています。
規模や内装工事の有無によって前後する場合があるため、自社の状況に合わせて時期を調整してご利用ください。
まず最初に、現オフィスの解約予告期間(契約により異なりますが、3〜6ヶ月前、または6ヶ月前とされているケースが多くあります)を契約書で確認してください。
この期限が、チェックリスト全体の起点になります。
なお、解約予告期間を確認することと、実際に解約通知を提出するタイミングは別です。
原則として、新オフィスの契約締結後、または契約成立の見通しが立った段階で、解約予告期間から逆算して解約通知を提出します。
「契約成立の見通しが立った段階」とは、具体的には申込みが受理され、貸主審査を通過し、契約条件がほぼ確定した状況を指します。
各フェーズには、時期・タスク・主な担当・優先度をまとめた表を用意しています。社内で共有し、進捗管理にそのままご活用いただけます。

【6〜4ヶ月前】企画・物件探しフェーズ
| 時期目安 | やること | 主な担当 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 6ヶ月前 | 賃貸借契約書を確認し、解約予告期間・原状回復条件を把握する | 担当者・経営者 | ★★★★★ |
| 6〜5ヶ月前 | 移転目的を明確にする(増員対応・コスト削減・採用強化など) | 経営者 | ★★★★☆ |
| 6〜5ヶ月前 | 採用計画を踏まえた必要坪数を算出する | 担当者・人事 | ★★★★★ |
| 5ヶ月前 | 物件情報の収集を開始する(仲介会社への相談を含む) | 担当者 | ★★★★★ |
| 5〜4ヶ月前 | 候補物件のリストアップ・一次絞り込みを行う | 担当者 | ★★★★☆ |
| 4ヶ月前 | 担当者による内見を実施する | 担当者・経営者 | ★★★★★ |
このフェーズで特に重要なのは、必要坪数を「今の人数」だけで決めないことです。
採用計画や出社率を踏まえた現実的な人数を基準にしないと、入居後にすぐ手狭になる、または過大な坪数で賃料負担が重くなる、といったケースがあります。
【4〜2ヶ月前】契約・準備フェーズ
| 時期目安 | やること | 主な担当 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 4ヶ月前 | 貸主審査に必要な書類(決算書、会社謄本など)を準備する | 経理・担当者 | ★★★★☆ |
| 4ヶ月前 | 社内稟議を起案する(候補が絞れた段階で) | 担当者 | ★★★★★ |
| 4ヶ月前 | 代表者の再内見日程を仮押さえする | 担当者 | ★★★★★ |
| 4〜3ヶ月前 | 条件交渉(賃料、フリーレント、入居時期など)を進める | 経営者・担当者 | ★★★★☆ |
| 新オフィスの契約締結後、または契約成立の見通しが立った段階 | 解約予告期間から逆算し、現オフィスへ解約通知を提出する | 担当者・経営者 | ★★★★★ |
| 3ヶ月前 | レイアウト設計を確定する | 担当者・内装業者 | ★★★★☆ |
| 3ヶ月前 | 内装工事業者を選定・発注する | 担当者 | ★★★★★ |
| 2ヶ月前 | 什器・備品の選定と発注を行う | 担当者 | ★★★☆☆ |
このフェーズで最も差が出やすいのが、社内稟議と代表者再内見のタイミングです。
良い物件ほど動きが早いため、担当者の内見後に代表者の予定調整で時間がかかると、その間に他社の申込みが入ってしまうケースがあります。
私たちが30〜100坪のオフィス移転をご支援する中でも、担当者の内見後に代表者の予定調整をしている数日の間に他社から申込みが入り、ご希望の物件をご案内できなくなったケースは少なくありません。
良い条件の物件ほど、この「確認待ちの数日」が命取りになります。
3ヶ月前後で発生する貸主審査の書類準備も、内見や交渉の陰で後回しにされがちなタスクです。ここが遅れると申込み自体が遅れ、他社に先を越される原因になります。

4. 【2〜1ヶ月前】工事・引越し準備フェーズ
| 時期目安 | やること | 主な担当 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 2ヶ月前 | 通信回線・電話・OA機器の移設手配を進める | 担当者・情シス | ★★★★☆ |
| 2ヶ月前 | 引越し業者の選定・見積もり取得を行う | 担当者 | ★★★☆☆ |
| 2〜1ヶ月前 | 内装工事の進捗を定期的に確認する | 担当者 | ★★★★☆ |
| 1ヶ月前 | 現オフィスの原状回復工事について、工事範囲・日程・指定業者と最終調整する | 担当者 | ★★★★☆ |
セットアップオフィス(内装・什器があらかじめ整った物件)を選んだ場合は、このフェーズの多くの工程を短縮できます。
移転までの期間が限られている場合は、選択肢の一つとして検討する価値があります。
私たちがサポートする企業の中にも、期間の制約からセットアップオフィスを選び、工事期間を待たずに移転を実現したケースがあります。
【1ヶ月前〜当日】引越し・運用開始フェーズ
| 時期目安 | やること | 主な担当 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月前 | 引越し日程を確定し業者と最終調整する | 担当者 | ★★★★★ |
| 1ヶ月前 | 社内への移転スケジュール周知を行う | 担当者 | ★★★★☆ |
| 3〜2週間前 | 取引先・関係会社への移転案内を送付する | 担当者 | ★★★★☆ |
| 2週間前 | 郵便物の転送手続きを行う | 担当者 | ★★★☆☆ |
| 2週間前 | 各種住所変更手続き(登記、名刺、Webサイトなど)を準備する | 担当者・経理 | ★★★★☆ |
| 移転直前 | 新オフィスの回線・什器の動作確認を行う | 担当者・情シス | ★★★★☆ |
| 移転当日 | 搬出入スケジュールを最終確認する | 担当者 | ★★★★★ |
【移転後】原状回復・完了確認フェーズ
| 時期目安 | やること | 主な担当 | 優先度 |
|---|---|---|---|
| 移転後すぐ | 現オフィスの原状回復工事を実施する | 担当者 | ★★★★★ |
| 移転後1ヶ月以内 | 敷金・保証金の精算内容を確認する | 経理・担当者 | ★★★★☆ |
| 移転後すぐ | 新オフィスでの什器・回線の不具合有無を確認する | 担当者・情シス | ★★★☆☆ |
| 移転後1〜2ヶ月 | 二重賃料が発生していた期間・金額を精算・記録する | 経理 | ★★★☆☆ |
| 移転後2〜3ヶ月 | 移転にかかった総費用を整理し社内で共有する | 経理・担当者 | ★★☆☆☆ |
やってはいけない失敗パターン
チェックリスト通りに進めていても、順番や確認漏れで失敗するケースがあります。特に次の5つは、移転プロジェクトでよく見られる失敗パターンです。
- 新オフィスが決まる前に解約通知を出してしまう:二重賃料を避けようとして、新オフィスの契約前に解約通知を提出すると、希望条件に合う物件が見つからなかった場合でも退去期限だけが確定してしまいます。契約前に解約通知を出す場合は、候補物件の状況や契約成立の可能性を踏まえ、慎重に判断することが大切です。
- 代表者の予定を先に確認していない:担当者の内見後に代表者の予定調整を始めてしまい、その間に他社の申込みが入るケース。
- 稟議が通るまで物件確保の動きを止めてしまう:稟議の決裁を待つ間、貸主側に何も意思表示をせず、他社に先を越されるケース。
- 貸主審査の書類準備が遅れてしまう:決算書や会社謄本などの準備が遅れ、申込みが後ろ倒しになり、その間に他社へ決まってしまうケース。
- 原状回復の範囲を退去直前まで確認していない:契約書上の原状回復範囲や指定業者の有無を退去間際に確認し、想定外の費用や日程調整が発生するケース。
いずれも、タスクそのものより「確認・共有の順番」が原因で起きる点が共通しています。

よくある質問(FAQ)
Q1. このチェックリストは何坪くらいの企業を想定していますか?
30〜100坪、社員数10〜50名程度の企業を想定した目安です。規模が異なる場合は時期を前後させてご利用ください。
Q2. 6ヶ月前より前から動いてはいけませんか?
そういうわけではありません。内装にこだわる場合や大規模な移転では、もっと前倒しで動いた方が安心です。このチェックリストは、移転希望時期まで半年前後で動き始める企業を想定した目安です。
Q3. チェックリストのどの項目から手をつければいいですか?
まずは現オフィスの解約予告期間の確認が最優先です。ここを起点に、他のタスクの時期を逆算していきます。
Q4. 社内稟議はどのタイミングで起案すればいいですか?
物件の候補が絞れてきた段階で並行して進めておくと、契約直前の決裁待ちによる遅れを避けやすくなります。
Q5. セットアップオフィスを選ぶとどのタスクが減りますか?
主に「工事・準備フェーズ」の内装工事・什器手配にかかる時間を短縮できます。ただし、レイアウトの自由度は制限される場合があります。
Q6. 貸主審査に必要な書類は何を準備すればいいですか?
一般的には決算書3期分や会社謄本などですが、企業の状況によって求められる資料が変わることもあるため、早めに貸主・仲介会社へ確認しておくと安心です。
Q7. 代表者の再内見は必ず必要ですか?
必須にしていない貸主・企業もありますが、最終的な意思決定者が現地を確認しないまま契約に進めると、後から条件変更が必要になるケースもあるため、可能な範囲で日程を確保しておくことをおすすめします。
Q8. 申込み後でもキャンセルはできますか?
申込みの段階か契約締結後かによって扱いが異なる場合があります。個別の契約条件によるため、仲介会社や貸主に事前に確認しておくと安心です。
Q9. フリーレントは交渉できますか?
物件や貸主の状況によっては、フリーレントの交渉が可能なケースもあります。ただし、貸主にとってもメリットがある条件(共益費相当額をご負担いただくなど)を組み合わせることで、交渉がまとまりやすくなる場合があります。
一方で、2026年はオフィス需要の高まりにより空室率が低下しており、市場全体として貸主優位の状況が続いています。そのため、数年前と比べるとフリーレントの交渉は以前より難しくなっているのが現状です。
Q10. 解約通知はいつ出すのがベストですか?
原則として、新オフィスの契約締結後、または契約成立の見通しが立った段階で、解約予告期間から逆算して提出することをおすすめします。ただし、二重賃料を抑えるため、契約前に提出するケースもあります。その場合は、移転先が決まらないリスクも考慮して判断する必要があります。
Q11. 二重賃料はどうすれば避けられますか?
二重賃料を避けるためには、まず現在のオフィスの解約予告期限を確認し、その期限から逆算して新オフィスの契約日・入居日を計画することが重要です。
また、貸主と入居開始日の調整を交渉したり、入居可能時期が希望時期に合う物件を選んだりすることで、二重賃料を抑えられる場合があります。
ただし、入居可能時期まで考慮すると、条件に合う物件は一気に少なくなるのが実情です。
さらに、2026年はオフィス需要の増加により空室率が低下し、貸主優位の市場が続いているため、入居時期の調整が難しいケースも増えています。そのため、二重賃料を避けたい場合は、余裕を持って物件探しを始めることが重要です。
まとめ
オフィス移転のタスクは、時期ごとに整理すると全体像がつかみやすくなります。
特に、解約予告期間の確認、新オフィス契約と解約通知の順番、社内稟議・代表者再内見の前倒しは、その後のスケジュールを大きく左右する重要なポイントです。
このチェックリストを自社の状況に合わせて調整しながら、移転プロジェクトの進捗管理にご活用ください。
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このチェックリストを見て「自社の場合、いつから動けばいいのか分からない」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
現在の坪数・人数・退去期限を教えていただければ、
- いつ解約通知を出すべきか
- いつまでに物件を決めるべきか
- いつ内見・代表者再内見を設定すべきか
を、貴社の状況に合わせて無料で逆算してご案内します。まだ物件を決める段階でなくても構いません。

