新宿区で30〜100坪を借りる場合、賃料単価は坪1万円台後半〜2万円台が中心です。共益費込みの水準で、駅と町が変わるだけで坪5,000円以上動きます。
この記事では、エリア別の賃料単価、30坪・50坪・100坪の月額イメージ、賃料以外の費用、探し始める時期、解約予告と二重賃料の順番を、実務の流れで整理します。
移転の進め方全体についてはオフィス移転の基本で詳しく解説しています。
目次
この記事で分かること
- 新宿区で30〜100坪を借りるときの賃料単価の目安(エリア別・共益費込み)
- 物件情報サイトの平均賃料が実勢より高く出る理由
- 30坪・50坪・100坪の月額賃料イメージと、1人あたり2〜3坪の考え方
- 契約時に必要な資金と、最終的な負担額(実質コスト)の区別
- 入居希望日から逆算した探し始めの時期、解約予告と二重賃料の扱い方
結論
新宿区の30〜100坪の実勢は、坪1万円台後半〜2万円台が中心です。高田馬場・早稲田側なら坪1万円台前半〜半ば、新宿駅周辺なら坪2万円台〜。50坪であれば月75万〜125万円が目安になります。
ただし新宿区で結果を左右するのは、賃料水準よりスケジュールと意思決定の速度です。入居希望日の5〜6か月前に動き始め、解約予告は新オフィスの契約後に出す。この順番を守れば、条件を下げて決める事態は避けられます。
新宿区のオフィス賃料相場は坪いくらか
坪1万円台後半〜2万円台が中心で、駅距離・築年数・ビル規模によって前後します。同じ「新宿区」でも幅は大きい。新宿駅周辺が最も高く、高田馬場・早稲田側は抑えやすい。エリアを変えるだけで坪5,000円以上動くことも珍しくありません。
賃料単価とは、1坪あたり1か月分の賃料のことです。オフィスは共益費(管理費)を別で請求する物件が多いため、比較するときは共益費込みの単価に揃えて見ます。
| エリア | 賃料単価の目安(共益費込み) |
|---|---|
| 新宿駅周辺 | 坪2万円台〜 |
| 西新宿(中小ビル) | 坪1万円台後半〜2万円台前半 |
| 高田馬場・早稲田 | 坪1万円台前半〜半ば |
| 四谷・市谷 | 坪1万円台後半〜2万円台 |
| 神楽坂・飯田橋 | 坪1万円台半ば〜後半 |
30〜100坪という条件なら、実勢はこのあたりです。ただし物件によって前後するため、レンジの外に出る区画もあります。築年数の経ったビルや空室期間が長い区画は、表より下に出ることもあります。
物件情報サイトの新宿区の平均賃料が高く見える理由
平均値だけを見て、新宿区を候補から外す必要はありません。物件情報サイトや大手仲介が出す新宿区の平均賃料は、当社が扱う30〜100坪の実勢より高く出ます。母数が違うからです。
- 大型ビルの大区画が母数に入っている(大型物件ほど坪単価が高い)
- エリアの括りが広く、西新宿の超高層ビルと駅から離れた中小ビルが同じ平均に混ざる
- 当社が扱うのは30〜100坪の中小ビル。統計上は別のセグメント
新宿区はこのズレが特に大きいエリアです。西新宿に大型ビルが集中しており、平均を押し上げているためです。駅から徒歩数分離れた築年数の経ったビルには、坪1万円台半ばの区画も出てきます。
相談を受ける中でよくあるのは、「新宿区は坪3万円と書いてあったので無理だと思っていた」という声。条件を30〜100坪の中小ビルに絞れば、想定より手前の予算で候補は出ます。
30坪・50坪・100坪の月額賃料はいくらか
新宿区で50坪を借りる場合、月額の賃料は共益費込みで75万〜125万円が目安です。エリアとビルのグレードで、この幅の中を動きます。
30坪なら月45万〜75万円前後、100坪なら月150万〜250万円前後。高田馬場・早稲田側で探せば下限に近く、新宿駅周辺なら上限を超えることもあります。
必要な坪数を考えるときの目安は、1人あたり2〜3坪です。執務席だけでなく通路や共用部も含めた面積で、フリーアドレスにするか、会議室をいくつ取るかで上下します。
注意したいのは、今の人数で坪数を決めないこと。契約期間は3〜5年が一般的で、その間に人は増えます。1〜2年後の増員を前提に、少し余裕を持たせた坪数で探してください。
手狭になって2年で再移転すれば、原状回復と初期費用をもう一度払うことになります。
新宿区のエリアごとの特徴と向いている企業
新宿区は、駅と町ごとに性格がはっきり分かれるエリアです。賃料だけでなく「どんな会社が集まっているか」で選んだほうが、採用と来客の両面で効きます。
新宿駅周辺
区内で最も高い水準。JR・私鉄・地下鉄が集まるため通勤圏が広く、採用募集での訴求力が強い。来客が多い会社、複数拠点を集約する会社に向きます。
西新宿
大型ビルと中小ビルの二極。超高層ビルは坪単価が上がりますが、青梅街道側や駅から数分離れた通りには中小ビルの在庫があります。同じ「西新宿」で見積を並べると水準が違うので、住所だけで判断しないほうがいい。
高田馬場・早稲田
区内ではコストを抑えやすいエリア。学生街のため、アルバイト・パート採用との相性がよい。30〜60坪の在庫が出やすいのもここです。
四谷・市谷
落ち着いた環境で、千代田区側と比較検討されることが多い。千代田区の予算では届かなかった企業様が、四谷まで来て収まる——という動き方をします。
神楽坂・飯田橋
小規模ビルが多く、30〜50坪の区画が出やすい。街並みを重視する企業、士業やデザイン系の相談が入りやすいエリアです。
当社への相談では、新宿駅周辺は人材、西新宿はIT・受託開発、御苑は太陽光関連、四谷・市谷はコンサルや士業からのご相談が比較的多い傾向です。
賃料以外にかかる費用はいくらか
予算は賃料だけで組めません。「契約時に必要な資金」と「最終的な負担額」を分けずに稟議へ上げると、金額が動いて差し戻しになります。
契約時に必要な資金
- 敷金・保証金:6〜10か月が目安。物件によって前後します
- 礼金:物件により発生
- 前賃料(翌月分の賃料・共益費)
- 保証会社費用
- 仲介手数料:賃料1か月分(税別)。ご相談・物件提案・内見のご案内までは無料です
- 内装工事費・什器・通信工事費
最終的な負担額(実質コスト)
実質コストとは、賃料・共益費・礼金・保証会社費用・原状回復費用などの負担額から、フリーレントによる賃料免除分を差し引いて、契約期間全体で実際に負担する金額のことです。
ここに敷金・保証金は含めません。返ってくるお金なので「負担額」ではないからです。償却が設定されている場合、償却分だけが負担になります。
50坪・坪2万円なら賃料は月100万円。敷金8か月で800万円が契約時に動きますが、負担額として計算するのは償却分だけ。この区別をしないと実質コストを過大に見積もり、入れたはずの候補を落とします。
内装工事・什器・通信は、契約前から見積を取る前提で予算に入れます。契約後に相見積を始めると、次に書く3か月に収まりません。
新宿区で物件を探し始める時期はいつか
入居希望日の5〜6か月前です。内訳は、探し始め〜契約に約3か月、契約〜入居に約3か月。
| 開始時期 | 状況 |
|---|---|
| 6か月前 | 理想 |
| 5か月前 | 十分間に合う |
| 4か月前 | やや急ぎ |
| 3か月前 | 選択肢が減り始める |
| 2か月前 | かなり厳しい |
| 1か月前 | 希望条件の変更も視野 |
2026年は空室率が低く、貸主から「契約後、遅くとも3か月以内に入居してほしい」と言われることが多い。契約してからゆっくり内装を考える進め方は、今の市況では通りません。
契約から入居までの3か月は、こう流れます。
- 契約直後(0〜2週間):保証金・前賃料を支払い、契約書を締結する
- 1か月目:内装会社の現地調査、見積比較、電気・LAN計画、什器を選定する
- 2か月目:内装工事に着工し、什器と回線を発注、引越会社を決定する
- 3か月目:工事完了、消防・設備確認、引越、旧オフィスの原状回復、住所変更を行う
時間がかかるのは物件探しではありません。社内稟議・代表者の再内見・保証会社審査・契約書調整・内装工事・引越準備です。だから「入居の3か月前に探し始める」では足りず、契約の3か月前に探し始める必要があります。
解約予告はいつ出せばいいのか(二重賃料の考え方)
解約予告とは、退去の意思を貸主へ正式に伝える通知です。オフィスでは6か月前が最も多く、期間は契約書で定められています。
解約予告は原則、新オフィスの契約後に出してください。先に出すと、物件が決まらないまま退去期限だけが迫ります。新宿区は在庫の動きが速いので、この順番を逆にすると条件を下げて決める結果になりがちです。
その結果、二重賃料は構造的に発生します。契約後に予告を出す以上、予告期間が明けるのは入居後になるからです。失敗ではなく、行き先が無いまま退去期限が来るリスクを避けるための必要コストと考えてください。
二重賃料は「避けるもの」ではなく「期間を短くする/フリーレントで圧縮する」もの。
ここで効くのが、物件の入居可能日です。即入居可の区画を選ぶと、契約後すぐ内装に入って3か月で入居できても、旧オフィスの予告期間はまだ明けていない。結果として3か月分ほどの二重賃料が出ます。
入居日が先の物件なら、予告期間の満了と入居のタイミングが近づき、二重賃料は抑えられます。つまり即入居可=有利ではありません。自社の解約予告と噛み合っているかで判断します。
ただし2026年はここが難しい。選択肢が少なく、入居可能日で選り好みする余裕がないためです。二重賃料は最初から予算に入れておいてください。後から出てくると稟議が止まります。
新宿区の物件選びでつまずきやすいところ
つまずくのは物件の見極めではなく、意思決定の速度です。新宿区は在庫の回転が速いため、ここが結果を分けます。
① 平均賃料を見て候補を絞りすぎる
物件情報サイトの平均は大型ビルを含んだ数字。それを基準に予算オーバーと判断すると、本来入れたエリアを最初から捨てることになります。
② 内見を複数日に分ける
比較は同時が最も正確です。分けると、判断が終わる前に第一希望が埋まる。1日でまとめて回り、その場で比較→判断→申込まで進める段取りにしてください。
③ 代表者の再内見・稟議に時間がかかる
良い区画ほど早く埋まります。「代表が見てから決める」なら、代表のスケジュールを内見前に押さえておく。稟議のフォーマットと決裁ラインも、探し始めの段階で確認しておきます。
④ 契約書の作成待ちで着工が遅れる
貸主側の契約書の作成に時間がかかり、契約が予定より2週間以上遅れることは珍しくありません。管理会社が大手の場合や、貸主が法人の場合に多い傾向があります。着工が後ろにずれると入居日も動くため、契約日は余裕を持って逆算してください。
セットアップオフィスは新宿区でも選べるのか
選べます。セットアップオフィスとは、内装や什器があらかじめ施工された状態で貸し出されるオフィスです。内装工期と初期費用を圧縮できるため、スケジュールが厳しい案件の候補になります。近年は新宿区でも増えました。
レイアウトの自由度は下がります。ただ、「契約から3か月で入居」という条件を満たしやすいのは事実。時間が足りない案件では、最初から候補に入れておくほうが選択肢が広がります。
よくある質問
Q. 新宿区で30坪のオフィスを借りると月額いくらですか?
共益費込みで月45万〜75万円前後が目安です。高田馬場・早稲田側なら下限に近く、新宿駅周辺では上限を超える区画もあります。このほかに敷金・保証金(6〜10か月が目安)、礼金、内装工事費などが契約時に必要です。
Q. 新宿区で一番賃料を抑えやすいエリアはどこですか?
区内では高田馬場・早稲田が抑えやすく、坪1万円台前半〜半ばが目安になります。30〜60坪の在庫も出やすいエリアです。学生街のため、アルバイト・パート採用との相性がよい点も選ばれる理由になっています。
Q. 敷金は実質コストに含めて計算しますか?
含めません。敷金・保証金は返ってくるお金なので「負担額」ではありません。償却が設定されている場合、償却分だけが負担になります。契約時に必要な資金には入りますが、最終的な負担額とは分けて考えます。
Q. 解約予告を先に出してから探し始めてはいけないのですか?
原則、新オフィスの契約後に出してください。先に出すと、行き先が決まらないまま退去期限だけが迫り、条件を下げて決めることになります。新宿区は在庫の回転が速いため、この順番が特に効きます。
Q. 二重賃料はどのくらい発生しますか?
即入居可の区画を選んだ場合、3か月分ほど発生することが多いです。契約後に解約予告を出すため、予告期間が明けるのは入居後になるからです。入居可能日が先の物件を選べば圧縮できますが、2026年は選択肢が少なく、受け入れる前提で予算に入れる判断が増えています。
Q. 1〜2年後の増員を見込むと、どのくらい余裕を持たせるべきですか?
1人あたり2〜3坪が目安です。増員予定の人数分をこのレンジで足して考えてください。フリーアドレスの有無や会議室の数で上下します。
Q. セットアップオフィスは新宿区にもありますか?
あります。内装や什器が施工済みで貸し出される形態で、近年は新宿区でも増えました。内装工期と初期費用を圧縮できるため、契約から3か月で入居という条件を満たしやすい一方、レイアウトの自由度は下がります。
Q. 相談や物件提案には費用がかかりますか?
ご相談・物件提案・内見のご案内まで無料です。ご契約時の仲介手数料が賃料1ヶ月分(税別)となります。予算感やスケジュールの整理だけの段階でもご相談いただけます。
まとめ
新宿区で30〜100坪を借りる場合、賃料単価は坪1万円台後半〜2万円台が中心です。高田馬場・早稲田側は坪1万円台前半〜半ば、新宿駅周辺は坪2万円台〜と、区内でも幅があります。
物件情報サイトの平均が高く出るのは、西新宿の大型ビルが母数に入っているためです。30〜100坪の中小ビルという条件で見れば、想定より手前に候補は出ます。
予算は「契約時に必要な資金」と「最終的な負担額」を分けて組む。敷金は返ってくるお金なので、実質コストには入れません。
探し始めは入居希望日の5〜6か月前。契約から入居までは3か月しかない前提で、内装・什器・通信は契約前から並行して動かします。
あわせて読みたい:文京区のオフィス賃料相場、千代田区のオフィスは高い
ご相談について
新宿区で移転時期が決まっている企業様は、まず「間に合うか」の確認から始めるのが早いです。
今の解約予告日から逆算して現実的なスケジュールか、今の坪数で1〜2年後まで足りるか、二重賃料が何か月分出そうか。この3点を整理するだけでも、稟議に上げる数字が固まります。
物件提案の前に、条件整理とスケジュールの逆算だけでも対応しています。お電話(03-6869-5265/平日9:00〜18:00)またはお問い合わせフォームからご連絡ください。
間に合うかどうかは、動くかどうかで決まります。

