オフィス移転を検討し始めると、多くの担当者が最初に物件検索サイトを開きます。
すると、
「意外と物件はあるな」
と思うことがあります。
希望エリア、坪数、予算を入力すると、何十件もの物件が表示されるからです。
しかし実際に移転を進めると、
候補物件は驚くほど減っていきます。
私たちも日々オフィス移転をサポートしていますが、
検索時には50件以上あった候補が、最終的には5件以下になるケースは珍しくありません。
なぜでしょうか。
それは、検索サイトには表示されない条件が数多く存在するからです。
目次
この記事でわかること
- 検索結果の件数があてにならない理由
- オフィス移転で見落とされやすいポイント
- 候補物件がどんどん減る理由
- 物件探しの前に整理しておくべきこと
結論
検索サイトに表示されるのは物件情報です。
しかし実際のオフィス移転では、
- 解約予告
- 入居可能日
- 原状回復
- 貸主審査
- 社内稟議
- 二重家賃
など、検索結果には表示されない条件によって候補物件が大きく変わります。
そのため、
「物件はたくさんあるのに決められない」
という状況が起こります。
オフィス移転は物件探しよりも、条件整理とスケジュール管理が重要です。
落とし穴① 本当に必要な坪数が決まっていない
これは非常によくあります。
現在40坪だから、
「次も40坪くらいで良いだろう」
と思って探し始めるケースです。
しかし実際にヒアリングを進めると、
- 会議室を増やしたい
- 採用を強化したい
- 来客スペースが欲しい
- 社長室を作りたい
という話が出てきます。
結果として、
40坪では足りない。
50〜60坪必要。
という結論になることがあります。
最初に見ていた候補物件がほぼ全て対象外になるケースも珍しくありません。
特に1〜2年後の増員計画は最初に確認しておきたいポイントです。
落とし穴② 入居可能日が合わない
良い物件が見つかっても、入居できるとは限りません。
例えば、
現在の退去期限まであと3ヶ月。
気に入った物件の入居可能日が6ヶ月後。
これでは間に合いません。
逆のケースもあります。
現在オフィスの契約が8ヶ月残っている。
しかし候補物件は即入居可能。
その場合、長期間の二重家賃が発生する可能性があります。
検索サイトでは分からない部分ですが、実務上は非常に重要です。
私たちが最初に確認するのも、
物件ではなく
- 解約予告
- 退去期限
- 入居希望時期
です。
落とし穴③ 社内要望が後から増える
担当者と経営者で考えている条件が違うことがあります。
最初は、
- 駅徒歩10分以内
- 予算内
だけだったものが、
途中で
- 新耐震
- 男女別トイレ
- セットアップオフィス
- 会議室2室以上
などの条件が追加されることがあります。
その結果、
候補物件が一気に減ります。
物件探しの前に優先順位を整理しておくことが大切です。
落とし穴④ 良い物件は検討中に埋まる
実務上、最も多いパターンです。
担当者が内見して良い物件を見つけても、社内共有、代表者の再内見調整、社内稟議という社内プロセスを経る間に、他社からの申込が入ってしまうことがあります。
都心部では珍しくありません。
特に人気エリアやセットアップオフィスは動きが早い傾向があります。
良い物件は比較検討中に埋まります。
良い物件ほど比較検討の時間は長く取れません。
特に移転期限が決まっている場合は、代表者再内見や社内稟議を見越してスケジュールを組むことが重要です。
落とし穴⑤ 保証会社審査・貸主審査がある
気に入った物件が見つかっても、
申込み=契約成立ではありません。
オフィス賃貸では、契約前に保証会社審査や貸主審査が行われます。
一般的には、
- 決算書
- 会社概要
- 登記簿謄本
などの提出が必要です。
また、事業内容や設立年数によっては、追加資料の提出を求められることもあります。
審査結果によっては契約できないケースもあるため、
「この物件に決めたから大丈夫」とは限りません。
特に退去期限が迫っている状態で物件探しを始めると、審査に時間がかかったり、審査否決となった場合に代替物件を探す時間がなくなったりするリスクがあります。
そのため、オフィス移転は余裕を持ったスケジュールで進めることが重要です。
落とし穴⑥ 契約してもすぐ入居できない
お客様からよく、
「契約したらすぐに内装工事はできますか?」
というご質問をいただきます。
しかし、通常は契約書に定められた契約開始日(賃料発生日)以降でなければ工事に着手できません。
そのため契約後も、
- 内装工事
- インターネット回線工事
- 家具・什器搬入
- 引越し
などの準備期間が必要になります。
特に一般的なオフィスでは、契約開始から実際の入居まで1〜3ヶ月程度かかるケースも少なくありません。
契約したらすぐに利用できるわけではないため、移転スケジュールは契約日ではなく、実際に業務を開始したい入居日から逆算して考えることが重要です。
FAQ
Q1. 検索サイトの空室情報はリアルタイムですか?
リアルタイムでないことがほとんどです。
掲載停止前に申込が入っているケースもあります。
特に東京23区では募集情報が数千件に及び、空室確認や条件確認を一つひとつ行うだけでも膨大な時間がかかります。
そのため、多くの企業様は検索よりも「条件を伝えて候補を提案してもらう」方法を選ばれています。
当社では、ご希望条件に合う物件を絞り込み、募集状況や条件変更を確認したうえでご提案しています。
Q2. 検索結果が多いのに紹介される物件が少ないのはなぜですか?
実際の物件選定では、坪数・予算・エリアだけでなく、お客様ごとの細かな条件を確認しながら絞り込んでいきます。
例えば、
- 室外男女別トイレ
- 新耐震でもグレードの高いもの限定
- エントランスの印象
- 駅からの距離
- 来客対応のしやすさ
- 入居希望時期
などです。
また、検索サイトでは募集されていても、申込済み・商談中・入居時期が合わないなどの理由で候補から外れることもあります。
そのため、検索時には数十件表示されていても、実際にご提案できる物件は数件〜10件程度になるケースが一般的です。
Q3. 物件探しはいつから始めるべきですか?
理想は解約予告前です。
実際には解約予告後から探し始める企業も多いですが、選択肢は少なくなります。
半年以内に移転予定であれば早めの準備をおすすめします。
Q4. 必要坪数はどう決めればいいですか?
現在の人数だけでなく、
- 1〜2年後の増員計画
- 会議室数
- 来客スペース
も含めて検討します。
現在の坪数だけを基準にすると失敗することがあります。
Q5. 退去期限と入居可能日が合わない場合はどうなりますか?
二重家賃が発生するケースがあります。
また、セットアップオフィスなど入居時期を調整しやすい物件を検討する方法もあります。
早めのスケジュール確認が重要です。
Q6. 内見後に希望の条件を変更はできますか?
可能です。
実際には内見後に希望条件が変わることも少なくありません。
例えば、
- エントランスの印象
- 駅からの距離感
- トイレや共用部の使いやすさ
- 室内の明るさ
- レイアウトのしやすさ
などは、実際に現地を見て初めて分かることがあります。
そのため、内見後に条件を見直しながら進めることは一般的です。
ただし条件を増やしすぎると候補物件が少なくなるため、優先順位を整理しながら進めることをおすすめしています。
まとめ
検索サイトに表示される物件数と、
実際に検討できる物件数は大きく異なります。
実際のオフィス移転では、
- 必要坪数
- 解約予告
- 入居時期
- 社内稟議
- 貸主審査
- 二重家賃
などの条件によって候補物件は絞られていきます。
オフィス移転は物件探しだけでは進みません。
条件整理とスケジュール管理ができて初めて、良い選択ができるようになります。
今の条件で本当に移転できるか確認したい方へ
- 今の坪数で足りるのか判断したい
- 1〜2年後の増員を見据えて検討したい
- 解約期限に間に合うのか確認したい
- 会議室込みで必要坪数を知りたい
- 今見ている物件が本当に候補になるのか確認したい
物件検索サイトを見る前に整理しておくべきことがあります。
実際には、検索条件を見直しただけで候補物件が増えるケースも少なくありません。
移転スケジュールや必要坪数、入居時期を整理することで、
「検索結果は多いのに選べない」
という状態を避けやすくなります。
そのため、私たちは物件探しの前に、お客様ごとの優先順位を整理することを大切にしています。

