本記事は、
賃料削減や固定費の見直しを目的として、
すでにオフィス移転を進める前提で動いている企業を想定しています。
– 移転するかどうかを検討している段階
– まだ何も動いていない状態
こうした初期フェーズの情報収集には、
本記事の内容は合わない可能性があります。
本記事の目的はひとつだけです。
コストカット移転で判断が止まる原因を、はっきりさせること。
進め方や手順ではなく、
「なぜ決められなくなるのか」に焦点を当てて整理します。
コストカットが理由の移転は、なぜ止まりやすいのか
コストカット移転では、
多くの企業が次の状態に入ります。
- もう少し安い物件があるのではないか
- 今決めると損をする気がする
- 比較がまだ足りない気がする
この迷いは、慎重さではありません。
構造的に、判断が終わらなくなる状態です。
理由はシンプルです。
コストは下げれば下げるほど正解に見える指標だからです。
採用や組織変更と違い、
「ここまで下げれば十分」という終点が見えにくい。
その結果、判断が後ろにずれ続けます。
「最安値」を探し始めた瞬間に起きていること
最安値を探し始めると、現場では必ず次の流れが起きます。
- 内見数が増える
- 比較表が増える
- 判断基準が毎回微妙に変わる
一見、検討が進んでいるように見えますが、
実際には判断フェーズから外れています。
はっきり言うと、最安値を探している時点で、
その移転はもう「決める段階」にはありません。
情報収集を続けているだけです。
コストカット移転でよくある3つの誤解
誤解① 安ければ安いほど正解
賃料は重要ですが、「安さ」自体がゴールになると判断は終わりません。
安さには必ず、立地・築年数・レイアウト・制約などのトレードオフがあります。
それを比較し続ける限り、正解は永遠に出ません。
誤解② もう少し見れば決められる
これは最も多い誤解です。
実際には、見れば見るほど基準が曖昧になります。
比較対象が増えることで、「決めない理由」も同時に増えていきます。
誤解③ 申込み=確定だから怖い
コストカット移転では、この誤解が判断を最も遅らせます。
申込みは、最終確定ではありません。
- 条件交渉
- 金額調整
- 時期のすり合わせ
これらは、申込み後に行う工程です。
申込みは「決める行為」ではなく、交渉権を取る行為です。
判断を止めないために必要なのは「下限」だけ
コストカット移転で、
最初に決めるべきことは多くありません。
必要なのは、これだけです。
「ここまで下がれば十分」という下限を決めること
- 幅を持たせた目標:×
- 下限を固定する:○
下限が決まらない限り、
「もう少し下げられるかもしれない」という思考は止まりません。
それでも決められない会社の共通点
判断が止まる会社には、共通点があります。
- 数字を判断材料ではなく、判断の逃げ道にしている
- 決断の責任を物件に押し付けている
- 「決めなかった結果」のリスクを見ていない
物件が悪いのではありません。
情報が足りないのでもありません。
判断設計がないだけです。
結論|コストカット移転で、最初にやるべきこと
コストカットを目的としてオフィス移転を進めている場合、
最初にやるべきことは物件を増やすことでも、
内見を重ねることでもありません。
「これ以上は下げなくていい」という判断の終点を先に決めること
これが決まらない限り、
どれだけ検討しても移転は前に進みません。
まずは、迷いを終わらせる準備から始めてください。

