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OFFICE GUIDEオフィス移転ガイド

オフィスの解約予告期間とは?契約書の確認箇所と、更新日との違い(普通借家・定期借家)

監修:林 正幸(株式会社gram 代表取締役/宅地建物取引士)

 

「更新が近いのでオフィス移転を考えている」

このご相談で、最初に確認すべきなのは更新日ではありません。

最優先で確認すべきなのは、現在の事務所の「解約予告期間」です。

解約予告期間とは、いま借りている事務所を解約すると貸主へ伝えてから、実際に契約が終わるまでの期間のことです。更新日ではなくこの期間を起点に逆算しないと、移転のスケジュールは組めません。

この記事では、解約予告期間が契約書のどこに書かれ、どう数えるか、更新日とどう関係するか、法律ではどう決まっているかを整理します。期限が分かったあとに、解約予告をいつ出すかはオフィス移転の解約予告はいつ出すかで解説しています。

この期間を把握しないまま動き始めると、

「まだ時間があると思っていたのに、実はもう判断期限を過ぎていた」

という事態が起こりやすくなります。

 

 

貸事務所の解約予告は「6ヶ月前」「3ヶ月前」など、契約によって異なる

 

貸事務所の契約書では、解約予告期間を次のように定めているものがあります(必ず現在の賃貸借契約書を確認してください)。

  • 解約予告:6ヶ月前
  • 解約予告:3ヶ月前

契約によっては、

解約予告期間までに意思表示がなければ、自動更新となる定めがあります。

つまり、

更新日が先でも、解約予告の期限を過ぎると、契約の定めや貸主との合意によっては、更新日での契約終了に間に合わないことがあります

(予告不足分の賃料を払って終了できる定めや、貸主との合意で終了できる場合もあります。どちらに当たるかは契約書と貸主への確認で決まります)。

 

 

解約予告期間は契約書のどこに書いてあるか

 

解約予告期間は、賃貸借契約書の「解約」「中途解約」「期間内解約」などの条項に書かれています。条項の名前は契約書によって違うため、次の6点を順に確かめます。

確かめる点 見る場所・読み方
予告期間の長さ 「解約」「中途解約」「期間内解約」の条項。「◯ヶ月前までに書面で通知」の形で書かれています
通知の方法 書面か、宛先はどこか、指定の様式(解約通知書)があるか。口頭や電話では認められない定めになっていることがあります
いつから数えるか 通知が貸主に届いた日から数えるのか、月末などの区切りで数えるのか。契約書に定めがない場合は、貸主・管理会社に数え方を確認します
期間が足りないときの扱い 足りない月数分の賃料を払えば退去できる定めがあるか、ないか
更新の条項 自動更新か、更新料があるか、更新しないときの通知期限は何ヶ月前か
契約の種類 普通借家か定期借家か。定期借家は「定期建物賃貸借契約書」などの題名と、契約の更新がない旨の条項で分かります

この6点がそろうと、「いつまでに通知すれば、いつ契約が終わるか」が自分の契約で計算できます。

契約書を読んでも期限の数え方が分からない段階から相談できます。
いまの契約の解約予告期間・更新日と、入居を希望する時期から、いつまでに何を決めればよいかを一緒に整理します。解約予告期間と移転スケジュールを相談する/お電話 03-6869-5265(平日 9:00〜18:00)

 

 

「更新まで◯ヶ月ある」は、判断基準としては不十分

 

よくある勘違いがこちらです。

「更新までまだ3ヶ月あるから、今からでも移転を検討できるはず」

しかし実務では、これは正しくありません。

なぜなら👇

  • 解約予告が 6ヶ月前 の場合 → 更新3ヶ月前の時点で、契約の定めや貸主との合意によっては、更新日での契約終了に間に合わないことがある
  • 解約予告が 3ヶ月前 の場合でも → すでに期限を1日でも過ぎていれば、契約の定めや貸主との合意によっては、更新日での契約終了に間に合わないことがある

「更新まで何ヶ月あるか」では、実際に動けるかは判断できないのです。

 

 

本当に見るべき「残り時間」の考え方

 

 

オフィス移転で重要なのは、次の一点です。

解約予告期間まで、あと何日あるか

例①

  • 更新日:2月末
  • 解約予告:3ヶ月前(11月末) → 11月末が実質的な判断期限

例②

  • 更新日:2月末
  • 解約予告:6ヶ月前(8月末) → 8月末を過ぎていれば、契約の定めや貸主との合意によっては、2月末の更新日での契約終了に間に合わないことがある

この「本当の期限」を把握しないまま進めると、

スケジュール設計を大きく誤ることになります。

 

 

更新日と「更新しない通知」の期限を並べて読む

 

期間の定めがある建物の賃貸借では、法律上、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に「更新しない」と相手に通知しなければ、それまでと同じ条件で契約を更新したものとみなされます(借地借家法26条1項。更新後は期間の定めのない契約になります)。

契約書の解約予告期間と、この法律上の通知期限は別のものです。契約書に借主の解約予告の定めがあれば、原則としてその定めに従います。借地借家法のこの節の規定に反する特約で、借主に不利なものは無効です(借地借家法30条)。上の例①②のように、更新日と解約予告の期限を並べて書き出すと、本当の判断期限が見えます。

 

法律ではどう決まっているか

 

民法では、期間の定めのない建物の賃貸借は、解約の申入れから3ヶ月で終わります(民法617条1項2号)。期間を定めた契約でも、期間内に解約する権利を留保していれば、同じく3ヶ月です(民法618条)。

オフィスの契約書で「6ヶ月前」などと定めているのは、この法律の定めとは別に、契約(特約)で決めているものです。契約に定めがあればその定めが適用されるため、法律の3ヶ月を当てにして動かないようにしてください。

契約書に中途解約の条項がなく、期間内の解約権も留保されていない場合は、期間の途中で一方的に解約することはできません。その場合の考え方はオフィスの中途解約と違約金で解説しています。

条文の紹介にとどめていますので、個別の契約の判断は弁護士など専門家にご確認ください。

 

定期借家の場合

 

定期借家(定期建物賃貸借)は、契約の更新がなく、期間の満了で契約が終わります(借地借家法38条1項)。更新を前提にした「更新日」の考え方が当てはまらないため、確かめる点が変わります。

  • 期間の途中で解約できるか 法律上の中途解約権(借地借家法38条7項)は、居住用で床面積200㎡未満の建物に限られ、事務所には当たりません。契約書に中途解約の特約が無ければ、期間の途中で一方的に解約することはできず、期間満了まで賃料が続く可能性があります
  • 満了後も使い続けたいか 更新はないため、貸主と「再契約」をするかどうかの話になります。再契約の条件や有無は契約書と貸主に確認します
  • 終了の通知 期間が1年以上の定期借家では、貸主は満了の1年前から6ヶ月前までの間に終了を通知する決まりがあります(借地借家法38条6項)。通知が来たら、移転の逆算はそこから始まります

定期借家の途中で退去したいときの進め方はオフィスの中途解約と違約金にまとめています。

 

予告期間が足りないとき・撤回したいとき

 

予告期間に足りないまま退去したい場合、足りない月数分の賃料を払えば退去できる定めの契約と、そうでない契約があります。契約書の中途解約の条項で確かめてください。

一度出した解約予告は、貸主の同意がなければ原則として取り消せません。移転先が決まる前に出すと、退去日だけが先に確定します。出す順番と出す前の確認はオフィス移転の解約予告はいつ出すかで解説しています。

お客様は旧オフィスと新オフィスの二重賃料をできるだけ避けたいため、当社の仲介実務では、入居希望時期が先のお客様について、即入居可能な物件を候補から外すことがあります。貸主が入居時期や賃料発生日の延期に応じないことが多いためですが、すべての貸主がそうとは限りません。

解約予告期間と移転スケジュールを相談する(お問い合わせフォーム)

 

 

解約予告期間を過ぎていた場合はどうなる?

 

 

解約予告期間を過ぎている場合、選択肢は主に次の2つです。

  • 更新を前提に、更新後の中途解約条件を確認する
  • 更新期間を活用し、次の移転を計画的に進める

この場合、

「無理に短期間で決めようとする」よりも、

更新前提で最適解を探す方が、結果的にコストが下がる

ケースも少なくありません。

 

 

では「解約予告期間内」なら間に合うのか?

 

 

解約予告期間内であれば、

条件次第で移転が現実的なケースはあります。

比較的進めやすいケース

  • 内装工事が不要、または最小限
  • エリア・広さにある程度の柔軟性がある
  • 社内の意思決定が早い

厳しくなりやすいケース

  • レイアウト工事が必須
  • 条件を大きく妥協できない
  • 社内決裁に時間がかかる

重要なのは、

「間に合うかどうか」を自己判断しないことです。

 

 

 

オフィス移転で失敗しやすい流れ

 

 

時間が気になると、

いきなり物件探しを始めてしまうケースが多くあります。

しかし実務では👇

  • 条件が固まっていない
  • 更新か移転か判断が揺れている
  • 期限の認識が曖昧

この状態で内見を重ねると、

比較だけが増え、結論が出ないまま期限を迎える

という結果になりがちです。

 

 

解約期限が近いときに、最初にやるべき3つ

 

 

物件探しの前に、まず以下を整理します。

 

 

  1. 現在の契約条件(解約予告・更新条件)の確認
  2. 更新と移転、どちらを選ぶかの判断軸整理
  3. 現実的に狙える条件範囲の設定

 

この順番を守ることで、

短期間でも無駄な動きを大きく減らすことができます。

 

 

相談すべきタイミングの目安

 

 

次に当てはまる場合は、

物件探しの前に一度整理することをおすすめします。

  • 解約予告期間が6ヶ月以内
  • 更新が近いが、解約期限を正確に把握していない
  • 移転か更新かで判断に迷っている
  • 社内で条件が固まっていない

 

まとめ:オフィス移転は「更新日」ではなく「解約予告期間」から始まる

 

 

  • 最初に確認すべきは 解約予告期間
  • 更新日だけ見て判断するのは危険
  • 本当の残り時間を把握してから動くことが、最もコストを抑えやすい
  • 定期借家は、契約書に中途解約の特約が無ければ期間の途中で出られない
  • 期限が分かったら、いつ解約予告を出すかは解約予告はいつ出すかで確認する

期限が絡むオフィス移転ほど、

進め方の整理が結果を大きく左右します。

 

 

解約予告期間と更新日の整理を相談する

 

 

更新や解約期限が絡む移転では、

物件探しの前に「進め方の整理」を行うことで、

無駄な比較や手戻りを防ぐことができます。

現在の契約条件を踏まえた進め方については、

無料相談にて個別にご案内しています。

当社は、移転期限が決まっている企業のオフィス探しに特化しています。

物件検索サイトでご自身で探す必要はありません。希望条件をお伝えいただくだけで、条件に合う新着物件を毎日確認してご提案します。内見は、物件の状況が合えば当日のご案内にも対応します。一次返信はできる限り当日中、遅くとも翌営業日までにお送りします。

ご相談・物件提案・内見のご案内までは無料です。ご契約時の仲介手数料は賃料1ヶ月分(税別)です。

解約予告期間と更新日の整理を相談する(お問い合わせフォーム)/お電話 03-6869-5265(平日 9:00〜18:00)